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京セラ美術館の上村松園展に行った感想

2021年09月02日
京セラ美術館で開催されている上村松園展行ってきました。
美人画を描く珍しい女流の作家ということで見に行ったのですが
ネットやテレビ、紙の媒体で見るのとは違うので気になった作家や好きな作家のものは、是非現物を見ることをお勧めします。

上村松園は名前を知っている程度で偶にネットや美術系の雑誌などで見かけるくらいの印象しかない作家でしたが、作家一人だけで特集を組めるくらいのものならばと思い見に行った次第です。

美人が描く美人画というブログが書けるなと思って行ってきましたが、筆者が好きな作風ではなかったので残念です。
なんというかアンバランスな印象を受けました。顔や小物は細密に描かれているのですが、着物の描写がイマイチで平面的なんです。また顔の印象もどことなく貧相で美人とは言い難い顔立ちをしていました。
確かに小物などは細密に描かれていいて簾の書き方は凄さを感じたのですがそれだけです。そういった物を細かく描いている作家は多いですが肝心の美人が細密なのにブサ◯クと台無しで、着物が平面的という不自然な絵でした。

この作家は子供の頃に葛飾北斎の浮世絵に感銘を受けて作家を目指すようになったそうなので着物の書き方が浮世絵っぽいのが平面的なんでしょうね。
浮世絵は全体的に平面的なタッチですが全体を見ると立体的に見えてくるという不思議なものです。だからゴッホやルノアールなども模写したのでしょう。
この展覧会では若かりし頃から晩年まで沢山の美人が出されていましたというか美人画しか有りません、その全てが同じ雰囲気のもので1枚目からナンダかなぁと思いながら見ていましたが途中で飽きてきて最後の方はザーッと見るだけで特に印象的なものはなかったのですが、中々きれいな絵だなと思ったのが中華美人を描いたものが三点ほどありそれだけが良かった。
今思えば中華美人の着ているのは中国の服なので着物ではなく天女の羽衣のような物と長めのスカートのようなものを着ていました。それは着物のように平面的に描くことが出来ないため、作家得意の細密な描写が必要でそれが顔とマッチしてバランスが取れていたのでしょう、また日本人と中国人では顔つきも違うのでそちらのほうが合うのでしょうか。

上村松園展は京都の京セラ美術館で9月12日までやってます。
京セラ美術館・上村松園展
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